地震に強い家 -勘と経験の大工さんの世界からエンジニアリング(設計)の世界へ

骨太の構造住ま居るの家はすべて、構造計算(許容応力度等計算)若しくは品確法の壁量設計による耐震等級2以上の耐震性を持った地震に強い建物となっております。構造計算(許容応力度等計算)も自社にて行なっているので、木造3階建ての建物でも耐震等級2以上が規定されている、長期優良住宅の認定が取得できます。

耐震等級2とは、住宅性能表示制度による基準で建築基準法に定められた構造の規定【数百年に一度発生する地震(埼玉県では震度6強から7程度)の地震力に対して倒壊・崩壊せず、数十年に一度発生する地震(埼玉県では震度5強)の地震力に対して損壊しない】を満たした建物を耐震等級1とし、その基準の1.25倍以上の強度を持った建物を耐震等級2、1.5倍以上の強度を持った建物を耐震等級3としています。

長期優良住宅認定制度における基準はこの耐震等級2をクリアすることが構造に求められます。
地震国日本において長期的な不動産価値を維持するためには「地震に強い」というのは大前提であり、不動産的観点から言えばこれは譲れない条件なのです。
ほぼすべての建築業者さんが建築基準法に定める簡易的な壁量の計算をもって、地震に強いと謳っていますが、ほんとうに必要な壁量は法の最低限度で定められたものを満たすだけでは足りません。ほんとうに必要な壁量は、水平力を算定してそれに見合う壁量を算定するしかありません。
木造住宅も3階建てになるとほんとうに必要な壁量を計算しなくてはいけません。住ま居るは平屋建てを含むすべての住宅でほんとうに必要な壁量を計算しています。それは地震力・風圧力の算定を始め、外壁、屋根荷重の算定などしっかり行なって、地震に強い家に住んでいただきたいからです。
骨太の構造長期優良住宅や住宅性能保証制度による耐震等級3も含め、たくさん認定を取得しております。不動産的に言えばデザインも大切な一つの要素ですが、安心安全な住まい、これをより重要視します。永く持ってこその価値、これは不動産的な価値なのかもしれません。
東京都庁を設計された丹下健三氏は、竣工後たくさんの雨漏りが起こる庁舎について問われると、デザインコンペの作品だからと一蹴されたという話は有名です。建築的視点と不動産的視点、この違いを住宅を建てたり購入される方は注意したほうがいいでしょう。不動産業者は家のことを「物件」といいます。建築業者、ハウスメーカーは「商品」です。設計事務所は「作品」です。家にどこに価値を置くか、しっかりとご検討して下さい。

建築関係規定はここ10年でめまぐるしく変化しました。住宅金融公庫からフラット35への移行も大変大きな変化の一つです。戦後の住宅不足の時は、建てる側がとても強く建ててもらう側(施主)が弱く、建ててもらう側がお願いして建ててもらっていたそうです。住宅とはそもそも地場産業であるはずなのに、この戦後の焼け野原からの復興に伴う住宅不足に更に地方からの首都圏への人口流入が拍車をかけて住宅不足はより深刻になり、よって日本には「大手ハウスメーカー」なる存在が定着しました。プレハブや2×4、どれも住宅不足の時代に、良い意味での「早く・安く・それなり」の住宅を建てる目的を達成するには必然だったのかもしれません。「質より量」が誰からも求められていた時代です。とりあえず皆がどんなものでも家が欲しかったということです。

それがバブル崩壊、阪神淡路の大震災を経て住宅に「量」よりも「質」を求める傾向が顕著になると、今までは隠れていた「欠陥住宅問題」が露見され、さらに住宅に「質」を求めるようになりました。そうして住宅の品質確保の促進法が施行され、性能表示制度が生まれました。

今までは木造軸組み工法というと、材木の種類から木組みによる匠の技術の優劣まで、その構造躯体の判定が難しかったのです。現在も大工さんが誇る木組みの技術は、日本古来から伝承され継承されてきた伝統構法と同じものですが、戦後培われてきた木造軸組工法の住宅は、この伝統構法とは、大工技術は同じでも、構造方法が異なるといった形へと変化していきました。

そしてそれを確立する形として、性能表示制度が生まれました。木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2008年)が発刊され、勘と経験の大工さんの世界から、エンジニアリング(設計)の世界へ、一定の性能を持ったものが、短期に安価に誰でもできるようになったのです。それにより、一建設さんやタマホームさんといったパワービルダーが出現しました。

匠の技術と現代のコンピューターを活用したエンジニアリング技術の融合によって”地震に強い家”は確かな性能となりました。しかし間違ってはいけません。エンジニアリング技術によって作成される図書は、柱一本一本にかかる荷重の検討から、耐力壁の配置のバランス、偏心率の検討、梁背の検討、垂木・母屋、基礎等全ての構造に関係する詳細の検討を行うことによりA4でも120Pを超える詳細なものとなりますが、それが現場でしっかりと工事されることによって初めて意味があるものとなるのです。事件は現場で起きている!といったセリフが、建築の現場でも言えます。ですから、大工さんの匠の技術はしっかりと継承していかないといけません。

不動産的価値から言って「地震に強い」家であるかどうかは、築後数十年を経て取引される中古住宅売買において大きな意味を持ちます。建築を専門にしておられる工務店さんやハウスメーカーさんには是非とも「耐震設計」に取り組んでいただき、将来に渡る安心で安全な不動産取引に繋がる仕事をしていただきたく切にお願いしたいところです。

下記は住ま居るが構造の検討をする時に参照している図書です。

小規模建築物基礎設計指針

木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2008年版)わかりやすい 木造設計の手引き木造軸組工法住宅の横架材及び基礎のスパン表木造住宅のための住宅性能表示

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